川名の由来

川名の由来

<余平町>

洞名の由来
 この川が流れる所の地名、余平村字「本郷」を冠した洞名。

本郷洞の概要
 旭高原元気村の山林地帯を水源に、余平村字本郷地内を流れる小川。

ほんごう(本郷)地名の由来
 余平村を開いた人達が住む一画、余平村の中心を意味する。

参考
 ほんごう(‥ガウ)(本郷)①その人の生まれた土地。生まれ育った国。故郷。本土。本国。②ある郷の一部で、最初に開けてその付近の発展の基礎となった土地。もとむら。③諸郷のうち、諸役所のあった村。もとむら。『国語大辞典』


<太田町>

川名の由来
 この川の河口の村名「太田村」を冠した川名。

川の概要
 明賀川との分水嶺を成す小尾根山地を水源に、太田村を北に縦走し、介木橋の袂で介木川に合流する準用河川。

おおだ(太田)の地名由来
 大きな水田が広がる村を願望した村名か。

参考
 オオタ:①大きな田。②最後に田植えをする田(方言)。③オホ(大)・タ(処)で、「重要な所」。④アフ(アブ)・タ(処)の転。『地名用語語源辞典』


<太田町>

川名の由来
 この川が太田村の外側を流れる川なので、外側が→大端オオバタ→大畑に転訛した川名と推察される。

川の概要
 伯母沢村と太田村の境界を流れ、介木川に注ぐ準用河川。


<旭八幡町>

川名の由来
 この川が流れる八幡村字「蕨野」を冠した川名。

川の概要
 字「蕨野」地内を西流して、介木川に注ぐ準用河川。

わらびの(蕨野)の地名由来
 ワラビ・笑う=山が開けた所(平坦部)を表現した地名と推察する。あるいは、開拓する以前は、植物のワラビが自生する野であったか。

参考
 わら:①ハラ(原)の転。②部落。集落(方言)。場所または村落を示す。③群。むれ(方言)。④林。くさむら(方言)。⑤ワ・ラ(接尾語)という地名。⑥動詞ワラフ(笑。咲)の語幹で、「縫い目が解ける。表情を崩す。隙間が生ずる」などの意から、「割れた地形」をいう。ある種の「崩壊地形」を示す語。『地名用語語源辞典』


<伊熊町>

川名の由来
 この川が流れる村名「伊熊村」を冠した川名。

川の概要
 伊熊神社が祀られる森林を水源に伊熊村地内を北流し、介木川に注ぐ準用河川。

いくま(伊熊)の地名由来
 一説、イ・クマにて、イは接頭語。クマは、神仏に供える供米にちなむ。
 二説、伊古奈比命神社を略して伊熊神社と呼び、その神社を祀る村(上伊熊村・下伊熊村)。
 三説、イク(生)・マ(間)にて、川が流れる山裾の湿地の間を表現した地名。
 四説、井隈にて、用水路のある奥地の集落を表現したか。

参考
 い:①接頭語。②イ(斎)で、「清浄な、神聖な」。③和数詞イツ(五)の頭語。④高くそびえた所。⑤ヰ(井)で、「泉や流水から水を汲み取る所」。⑥堀り井戸。⑦湿地。⑧湿地に生える植物イグサ。⑨ヰノシシ(猪)にちなむ地名。⑩ヰ(居)で、「集落」。⑪十二支の「亥」で、北北西の方角。

 いく:生、行、息、壱岐、伊岐①「生々とした様子」、つまり「水気のある所」を示す。②「しっかり固定しない様子」、つまり「湿地」など地盤の柔らかな土地③オグ、オギの転も考えられる。

 くま:熊、隈、神、前、久方、久間、球磨、苦麻①クマ(曲)で、「(川などの)湾曲点。曲がり目。角」。②クマ(隈)で、「奥まった所。隈」、「辺鄙な所。片田舎」。③クマ(阿。暈)で、「暗く蔭になっている所」。④物のふくらみ(方言)。⑤山の麓から峰につづく稜線(方言)。⑥海底の岩と岩との間の砂地(方言)。⑦神仏に供える米「供米」。⑧動物のクマ(熊)にちなむもの。⑨動詞クマス(「剥き出す。形のあるものをバラバラにする。くずす」(方言)。「崩壊地形」。『地名用語語源辞典』


<日下部町>

川名の由来
 この川が流れる村名「日下部村」を冠した川名。

川の概要
 伊勢神峠の在る山林を水源に日下部地内を北流し、愛宕神社の在る猿ケ城辺り柿ノ入川を集め、日向組地内を流れる日向川を集め、落合橋付近で介木川に注ぐ渓流。

くさかべ(日下部)の地名由来
 崩壊地形など地勢的な地名とは考えにくく、大化の改新以前からの日下部氏にちなむ村名と推察される。

参考
 くさかべ:草壁、草部、日下部、草加部、草ケ部①大化前代の部民日下部氏にちなむ地名か。②山の草付きの斜面〔方言石川県能美郡白峯〕クサ(草)カベ(斜面)。③クサ(朽)・カベで、崩壊と崖を示す用語を重ねた地名か。④クサ・ケ(助詞)・ベ(辺)という語構成も考えられる。『地名用語語源辞典』


<小畑町>

川名の由来
 この川が流れる村名「小畑村」を冠した川名。

川の概要
 小畑城のある山地を水源に、下の組の薬師(兼集会場)辺りで介木川に合流する準用河川。

こばた(小畑)の地名由来
 小畑は川端の転で、カワ(川)・ハタ(端)の村を表現したと推察する。
 『旭町誌』中の小畑村図には、上・中・下組があり、小畑川・介木川に沿って水田が開かれている。

参考
 こばた:小幡、木幡、小畑、古畑、川畑、木場田①樹林の茂った所。〔鏡味〕コ(木)・ハタ(畑)の意か。②開発の古い熟した畑。④コバ・タ(処)か。⑤カワ(川)・ハタ(端)。⑥コ(小)・ハタ(畑)で、小さな畑もあるか。『地名用語語源辞典』


<惣田町>

川名の由来
 この川が流れる村名「惣田村」を冠した川名。

川の概要
 介木川の最上流支川で、足助との境界山地を源に惣田村を北流し、介木川に至る準用河川。

そうだ(惣田)の地名由来
 足助荘の荘田と解釈される。あるいは、湿田・沢田の村を表現した地名か。『旭町誌』の付図惣田村図には、1~5組の水田が沢の出口の平坦地に存在している。

参考
 ソウダ:①湿地・沼地〔方言:岡山県邑久郡、広島県芦品郡〕②深いジメジメした田〔方言:愛媛県南宇和郡〕③沢サワ田の処の意。④荘田ソウデンの転。『地名用語語源辞典』


川名の由来
 この川が流れる昔の村名「介木村」を冠した川名。
 介木村は明治39年に旭村に吸収され消滅。

川の概要
 伊勢神峠北西斜面を源頭にして旭地区惣田町地内を流れる惣田川・小畑町地内を流れる小畑川、日下部町地内を流れる日下部川、伊熊町地内を流れる伊熊川、旭八幡町を流れる蕨川、太田町地内を流れる大畑川、余平町地内で本郷洞・本郷沢、万町町地内で寺洞川・柿川・川口川、太田町地内を流れる大田川、明賀町地内を流れる明賀川を集め、小渡町で矢作川に注ぐ流路長5.96kmの一級河川。

けんぎ(介木)の地名由来
 定かでないが、ケンギは権宜にて、足助荘内で各集落の領域を確定する前に便宜的にけんぎ郷と呼んだのが、介木に表示されたと推察する。介木郷の範囲は、現在の旭町の大字 余平・太田・万町・明賀・小渡に相当する区域と、足助町北東端、稲武町富永が含まれていた。

参考
 介の文字は仲立ちする、助ける、鎧のように堅い、律令制の長官を補佐する介官。などの意味がある。『広辞苑』

 けんぎ(権宜):その場に応じた処置。臨機のはからい。出典『国語大辞典』

介木川の矢作川合流部-1


<旭地区 坪崎町>

川名の由来
 この川の河口の村名「坪崎村」を冠した川名。

坪崎川の概要
 上流の伊勢神沢を合流して、坪崎地内を北流して段戸川に注ぐ川。

つぼさき(坪崎)の地名由来
 定かでないが、山中の小さな集落を表現した地名と思われる。坪は小区画を意味し、崎は加茂郡の先端の地を指すと思われる。

参考
 ツボ:①動詞ツボムの語幹で、「つぼんだ地形。深くえぐられた地形。窪地。壷穴状の地形」。②淵(方言)。③庭(方言)。④茸のきまって採れる所(方言)。シロと同じく、「~の生える所」の義。⑤生産する場所(方言)。⑥田の一画(方言)。⑦町村内の小区域(方言)。⑧尺貫法による面積などの単位。⑨古代条里制における小区画。⑩ツバの転。出典『地名用語語源辞典』