川名の由来

川名の由来

<稲武町>

川名の由来
 この川の水源の地名、稲武町字「井山」を冠した川名。地元では、井山川を単に川と呼んでいる。

川の概要
 井山1,195mを水源とする井山川は、字横川渡で名倉川に合流する。砂防河川として改修が行われ、井山洞堰堤・雪洞川堰堤が築かれている。

いやま(井山)地名の由来
 井山は、津具村・設楽町・根羽村と境を接する広い山林。江戸時代の初め頃には、稲橋用水(大井平用水)の修理に必要な用材林として管理されていた。そのため井(用水)の山の地名が付いている。『稲武の地名』


<中当町>

川名の由来
 この川が流れる谷を重複誇張し、大谷洞を「大コク洞」と表現したと推察される。

洞の概要
 呼称地名カヤ山を源頭に、字サカイノ澤・字ヤブノ澤の境を西流し名倉川に注ぐ渓流。


<中当町>

川名の由来
 この川が、滝のある洞を流れることに由来する。

川の概要
 設楽町段戸山を水源にして北流し、中当町字古畑の山林を東流し、字イナバ地内で名倉川に注ぐ準用河川。


<中当町>

川名の由来
 この川の河口に在る神社のそばを流れる川を意味した川名。
 旧北設楽郡中当村字「宮下」地内に、中当神社が祀られていて、この中当神社のそばを流れる川に由来する。

川の概要
 城ケ山918mを源頭に字大林地内の山林地帯を西流し、字「宮下」地内の呼称地名宮坂の脇を流れて蔵元橋の袂で名倉川に注ぐ。

みやした(宮下)地名の由来
 字宮下は中当神社の下の土地を指す。


<設楽町西納庫>

川名の由来
 この川の河口の地名、旧北設楽郡納倉村字「合戸」を冠した川名。

川の概要
 城ケ山918mの南麓、岩伏山982.9mの西麓を水源に、字合戸地内を西から東に流れ、川口と清水集落の中間(道の駅アグリステーション)で名倉川に合流する。

地名の由来
 合戸は、郷処の転で、川口集落や清水集落の所の意。
 あるいは表記文字のとおり、ゴウは合流する意、トは所の意にて、川に沿った街道と中馬道が出会う辻を表現した地名とも推察される。


<設楽町西納庫字本洞>

川名の由来
 この川の河口の地名、旧北設楽郡納倉村字「本洞」を冠した川名。

川の概要
 碁盤石山の北に位置する稲武町と設楽町の境界峰である面ノ木峠・井山1,195mを源頭に、岩伏山982.9mとの谷合の字本洞地内を南流し、横萩川に合流する川。
 面ノ木峠には風力発電所が建設され、茶臼山高原道路の名所となっている。

ほんほら地名の由来
 本洞は、井山・碁盤石山・岩伏山が形成する谷のうち、本流の谷筋を強調した地名と推察される。


<設楽町西納庫>

川名の由来
 この川の河口の地名、字「横萩」を冠した川名。

川の概要
 碁盤石山1,189.4mの西麓を源頭に、木戸洞峠から字横萩地内を西流し、本洞川と合流する川。

よこはぎ地名の由来
 横萩の語源は定かでないが、碁盤石山の西麓の開墾地を表現した字地名と推察される。

参考
ハキ:①川の合流点。②川の急流部。剥ぎの意味もあるか。

ハギ:①崩崖。崖。動詞ハグ(剥)の連用形の名詞化。②焼畑。③ハリ(墾)の転で、「開墾地」。④マメ科ハギ属の植物の植生によるもの。『地名用語語源辞典』


<設楽町納庫・豊田市(中当町・桑原町・川手町)>

川名の由来
 源頭の村名「納倉・名倉」を冠した川名。

川の概要
 設楽町地内の天狗伝説で有名な碁盤石山1,189.4mを源頭に、横萩川・本洞川・合戸川を集め、稲武町に入り中当村を流れる宮川・滝ケ洞・大クゴ洞を集め、武節町で井山川・細野下沢を集め、黒田川と合流してから中小川を集めて川手町で矢作川に注ぐ。流路長12.95kmの一級河川。

なぐら地名の由来
 なぐら(納庫・名倉)クラは岩場の意と米を納める倉の意がある。天狗山などの明峰の地勢と米を納める倉が建つ村を願って付けられた瑞祥願望地名村名と推察される。

参考
 地名用語辞典は、ナグラを①ゆるい起伏のうねる地形〔鏡味〕。「波のうねり」をいう方言(宮城、茨城、静岡、和歌山)からという。②ナ(接頭語)・クラ(剥)という地名。③ナガ・クラの転もあるか。④ナガ・ハラの転もあるか〔池田末則〕などを紹介する。

名倉川(矢作川合流付近)-1


<大野瀬町>

川名の由来
 洞が流れる地名、字「ヲコチ」を冠した洞名。

洞の概要
 根羽村との分水嶺を源頭にして西に流れ野入川に注ぐ洞(川)。

おこち地名の由来
 ヲコチは大河内にて、川辺の堆積地にちなむ地名か。『稲武の地名』


<大野瀬町>

川名の由来
 通称地名「柏洞」の中ほどを流れる洞をいう。

洞の概要
 根羽村との分水嶺を源頭にして西に流れ野入川に注ぐ渓流。

かしわぼら地名の由来
 通称地名「柏洞」は、字ミヤノ洞・日ヨモ・中ギリ・コガイト・字ヲコチ辺り一帯の広い範囲をいう通称地名。カシワの語源は、当地には三国山の亀甲石で知られるように堅い岩の処を流れる洞と解釈される。新前橋付近に柏洞神社が祀られている。

参考
 『地名用語辞典』は、カシワを①カシ(傾)・ハ(端)という形の地名。②カタシ(堅)・イハ(岩)の訳。③ブナ科の落葉高木の植生によるもの。④古代、皇居守衛の任に当たる衛門の意。などを紹介する。