その他

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 川には、恵みと荒みの両面があります。


 川の恵みには、魚をはじめ川に棲むあらゆる水棲生物や、護岸の植物や昆虫、野鳥、そして人間が生きていくための生活用水・農業用水・工業用水などあらゆる生き物の命の水を与えてくれます。そして、私たちの感性を豊かにしてくれるのが川の恵みなのでしょう。


 川の荒みは、渇水と洪水です。干ばつで川に水が無くなったら、魚も人間も大変です。また大雨と洪水は、山里に土砂災害を起こし、土砂が川に流れて橋を流し、川水が溢れて家屋や田畑に大きな災害を起こします。


 神話『スサノオ命の八岐大蛇退治』は、川の荒を語る神話なのです。8つの支流が合流する川が毎年氾濫し、村人が困っていた。スサノオの命は、8つの酒樽=8支川にそれぞれ放水路を引き湾処(あるいは調整池)で調整し、洪水を治めました。平安時代に行われた治水事業を題材にしたのでしょうか。

 猿投地区にも「うわばみ・おろち退治」の民話が伝わります。オロチを退治して殿様から褒美に家紋を頂いたそうです。猿投山の麓に鈴ケ池をつくり、オロチ(洪水)を治めた治水事業の大切さを語る民話です。


 昭和47(1972)年7月3日から13日まで全国的に降った大雨は昭和47年7月豪雨と命名された。愛知県では9日から雨が降り続き、11日までの雨量は多い所で150㎜を超えた。12日夜遅くからは、本州上に停滞する梅雨前線上を東進する低気圧の影響で、雨は激しさを増した。特に西三河地方を中心に局地的な集中豪雨となり、豊田市(県雨量観測所)では、13日の00時〜01時の1時間に84㎜、12日22時から13日02時までの4時間に214㎜の非常に激しい雨となった。9日から13日までの総雨量は多い所で450㎜に達した。

 矢作川沿いの三河地方では、中小河川の決壊や先行降雨で地盤が緩んでいたこともあり、山・がけ崩れが相次ぎ、県内では小原村の36名をはじめ、藤岡村、豊田市および足助町など死者63名、行方不明者4名の犠牲者を出す大災害となった。

豪雨

昭和47年7月13日 中日新聞・朝日新聞


 トロミルは、サバ土から良質な陶磁器の原料をつくるもので、このような水車を利用したものは昭和40年代で電力におされ姿を消した。山からとったサバ土を篩いにかけ、さばの部分だけをトロミルに入れ、水を加えて2昼夜位回転させると、中に入っている種石(栗石)によって押し潰され泥状になる。これを乾燥させたものが原料で、おもに瀬戸へ送られた。

トロミル

提供:豊田市藤岡民俗資料館


 臥雲辰致により1876年に考案された紡績機。そのガラガラという騒音から、ガラ紡と呼ばれた。
 ガラ紡などの在来技術は、より近代的な機械紡績に圧迫され1887年をピークに衰退。現在では愛知県の数軒で使われているのみである。名古屋市にある産業技術記念館では動態展示されており、ガラガラ音を聴いたり、糸を紡ぐ様子を見たりすることができる。


 香嵐渓は、清流巴川を中心に四季折々姿を変える山の景色を楽しむ風光明媚な風土資産。せせらぎの音・川水に触れた感触・四周の景色・自然の濃密な空気など、訪れた老若男女だれもが豊かな心を感じる。

4.(3) 初夏の香嵐渓(巴川)


 昭和55年より豊田市都市計画街路内環状線が建設され、矢作川に新たに竜宮橋完成。


 昭和9年「法眼の松」が国天然記念物に指定。昭和34年伊勢湾台風により法眼の松が枯れる。


<王滝町>

渓谷の由来
 「王滝町」を冠した渓谷。

渓谷の概要
 巴川に流入する仁王川がつくる王滝町地内の渓谷。仁王川が巴川に合流する直前の約2kmの区間は標高差が約150mもあり、この急流が深い谷を刻んでいる。その景観は東海の昇仙峡ともいわれ、新緑・紅葉の季節には多くの行楽客を集める。愛知高原国定公園の一部。

「東海の昇仙峡」
 巴川の支流・仁王川沿いに位置する王滝渓谷。巨岩・奇石と渓流が、素晴らしい渓谷美を生み出しています。

王滝渓谷-1


 東加茂郡下山村羽布、矢作川支流の巴川上流にあるダム。
 堤長398.5m・堤高62.5m、体積31万6,000㎥のコンクリート重力式ダム。
 ダム湖の三河湖は、満水時の標高467m、面積106万㎡、有効貯水量1,846万㎥。矢作川下流一帯の農地約7,000haの灌漑、及び岡崎市の上水に使用されている。昭和27年明治用水頭首工の改築に関連して農林省直轄事業として着工され、同38年完成したが、用水の有効利用を目的とした関連事業として巴川が矢作川に合流する直前の岡崎市細川町に細川頭首工を建設し、合流点以南の矢作川筋の既設取入口28か所の合口を行った。付近は愛知高原国定公園の一部。

5.(3) 三河湖(羽布ダム)

羽布ダム(三河湖)と香恋の館
 羽布ダムには、生物に大切な命の水が蓄えられています。
 羽布ダムの下流に香恋の館が在ります。香恋の意味は、巴川と樹木が育むマイナスイオンの香りを愉しむことからネーミングされたと云われます。館には郷土民具や民芸品・嗜好品が揃えられ、古民具から歴史を学び実習し、川と水に親しむことが出来る下山が誇る郷土自慢の施設です。

羽布ダムと巴川 (2)-1

羽布ダム(三河湖)と巴川